今ここにあるトウネン


分布

夏にシベリア北東部やアラスカ北西部のツンドラ地帯で繁殖し、冬は東南アジアからオーストラリア、ニュージーランドにかけての地域で越冬する[3]。
日本では春と秋の渡りの途中で立ち寄る「旅鳥」として、全国に渡来する。小型シギの中では最も普通に見ることが出来る。九州以南では越冬する個体もある。

形態

全長はスズメとほぼ同じ14~15 cm[4][5][6]、翼開長は約29 cm[5]。シギ科の鳥の中では小型の一種で、くちばしと足も短い。和名も「今年生まれたもの」という意味で、今年生まれた赤子のごとくからだが小さいことに由来している[7]。
成鳥夏羽は顔と胸、背が赤褐色で、翼は軸斑が黒、羽先が白で、残りの羽縁は赤褐色。体の下面は白色である。冬羽は全体的に灰褐色となる。
雌雄同色である[4][5]。

生態

非繁殖期には、干潟や水田、湿地に生息する。砂泥地などを動き回って泥の中にいる昆虫、ゴカイ類、小型甲殻類などを捕食する[5]。大きな群れで行動し、日本ではかつては万単位の群れも見られたが、近年では数百羽のことが多い[4]。
「チュリッ」や「チュイ」と鳴く。

種の保全状況評価

国際自然保護連合(IUCN)により、軽度懸念(LC)の指定を受けている[1]。
日本の以下の都道府県でレッドリストの指定を受けている[8]。
絶滅危惧種 - 京都府(環境省の絶滅危惧II類に相当、近年旅鳥としての飛来が減少している。)[9]
絶滅危惧II類 - 神奈川県(非繁殖期)[10]、東京都(区部、北多摩・南多摩・西多摩は準絶滅危惧)[11]
準絶滅危惧 - 大阪府[12]
希少種 - 滋賀県(環境省の準絶滅危惧に相当)[13]
一般保護生物(D) - 千葉県(環境省の準絶滅危惧種に相当。東京湾では埋立地の湿地の消失により減少が著しい。)[14]

Sibley分類体系上の位置

シブリー・アールキスト鳥類分類
鳥類 Aves
コウノトリ目 Ciconiiformes
チドリ亜目 Charadrii
チドリ下目 Charadriides
シギ小目 Scolopacida
シギ上科 Scolopacoidea
シギ科 Scolopacidae
クサシギ亜科 Tringinae

近縁種

オジロトウネン Calidris temminckii
ヨーロッパトウネン(ニシトウネン) Calidris minuta

  • 最終更新:2015-05-14 23:01:48

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